私は現在、 野球日本代表「侍ジャパン」の投手コーチをしています。稲葉監督からコーチ要請を受けた時は「私に務まるのか」と疑問に思う気持ちもありましたが、日本のため、何よりも稲葉監督を助けたい一心で引き受けました。日米球界を渡り歩いた経験を買われたのでしょう。さまざまな野球人生があるなかで、現役引退後にこのようなお話があるというのは、身の引き締まる思いとともに、本当にありがたいと感じます。
社会人野球からプロ入りし、メジャーに挑戦、そして日本代表の投手コーチ。そんな私のキャリアの原点は、高校卒業後にお世話になったルネスでの2年間にあると言っても過言ではありません。ルネスでは、素晴らしい指導者のもとで、本当によく練習をしました。在学中は夜間も練習をしていましたが、ただ単にがむしゃらに汗を流すのではなく、睡眠時間を念頭に入れながら、時間を逆算し、効率の良い練習方法をいつも考えていました。プロ入り後も私の支えになった「目的を決めてから練習する」というスタイルは、まさにその時に培ったものです。それから、協調性、自主性、継続性といった野球人として生きていくために大切なものも学びました。大げさではなく、その気持ちを持ち続けたから、今があるのだと思っています。